ゴールデンウィーク特集その2

5月5日
かねてから連絡があったとうり和田さんからの電話があった。
何してんねんアキリンはよこんかー。ゆうてあったやろー!
前田先生の診療所に早くしてやー。
私は一端自宅にくるものと思っていたが診療所からの早急の呼び出しである。

まあええわ。
何か持っていくもの有るか?そおいうと何もないよー。いやいらんでー
という返事であった。
早速カメラだけをもって前田先生の診療所に向かう。
時間にして40分ほど。
ゴールデンウィークなので時間が全くかからない。
到着してみてみると前田先生の水槽は空っぽであった。

皆さん一心に仕事をしているようでした。

メンバーとして和田さんのり子さん前田先生そして00さん。
解かる方にはわかると思います。
今は、、、、、

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1 前田先生の空っぽの水槽。
到着した時には水槽の中には珊瑚はなにもありませんでした。
ライブロックも綺麗に取り除かれ僅かに底砂があるのみでした。

2 珊瑚は入れ物の中に隔離されていました。
何故隔離されていたかというとそれは次の写真を見てください。

3-4 ライブロックに付着している小さな赤い貝が見受けられますね。
ライブロックの大きさと比較してみてもらえればそんなに大きくは無いという事がわかると思います。
大きさは長径が1センチほどです。
幅は3ミリほどの赤い色した貝です。
正式名称はホンハナマツムシです。
ホンハナマツムシは
日本近海産貝類図鑑によりますと生息場所は紀伊半島以南に生息することとなっています。
岩礁域潮間帯〜10mということになっています。
この貝が問題の貝です。
以前からわかっていたことなのですがこの貝がミドリイシを食べてしまいます。
不思議なことに他の珊瑚は食べません。
特定のハードコウラルのみを食べてしまうのです。
ソフトコーラルは食べません。
水槽に配置されていたスターポリプやディスクコーラル等は全く被害を受けていませんでした。
またコハナガタ珊瑚やナガレハナのようなハードコウラルは食べません。
この貝は主に夜間に活動します。
そのため昼間には人目につくことはありません。
昼間にはライブロックの奥に潜んでいるため外観状ではもしこの貝が水槽の中にいたとしても発見する事は困難でしょう。
昼間にどうしても見たいという場合はライブロックを水槽の中から取り出してカナズチ等を使い割るしか有りません。
相当内部に侵入し休息をしているようです。
そして夜間になり暗くなるとライブロックの内側からこそこそと現れてきます。
数が少ないうちはミドリイシにハゲがおこったり一部が死滅しても何が起こったのかは解かりませんがこの貝は繁殖力が早く、早急に繁殖するようです。
本当は水槽の中にこの貝を食べる生き物がいないので爆発的に増殖しているだけのなかもしれません。
繁殖しだすと大変です。
1つのミドリイシに数10匹のこの貝がたかるようにしてミドリイシに取り付いています。
そうなるとミドリイシは食べ尽くされてしまいます。
この貝を一端発見するとその数倍は水槽の中に生息していると思っても間違いではないでしょう。
これはカーリーと同じだと思えば納得できます。

5 このような元気なミドリイシでも食べてしまいます。
普通元気でないようなミドリイシを食べてしまいますが無い時には何でも食べるようです。
この貝の食害を防ぐために前田先生はライブロックからミドリイシを切り離し隔離しました。

6新しいライブロックです。
既存のライブロックにはこのホンハナマツムシが進入しているため再度使用する事はできません。
ライブロックの内部に必ず侵入していると思ったほうが正解でしょう。
そのためリセットと同じ状態になります。
今回は1日でリセットするため新しいライブロックをもうすでに用意していたのです。
ただ今まで水槽にセットしてあったライブロックは魚水槽やミドリイシが入っていないような水槽では使用する事は可能です。

7 隔離した珊瑚を見回る前田先生。
水槽の中には相当な量のミドリイシが入っていました。
それを全部取り出したため相当なバケツの量になりました。
バケツの量は10個ほどありました。
ミドリイシはライブロックから切り離され隔離されています。
当然ライブロックにホンハナマツムシが付着しているからです。
肉眼で確認できないものもあるからです。
親になったホンハナマツムシは当然肉眼で確認できますが子供のホンハナマツムシはなかなか肉眼では確認できません。
前田先生によると初期のホンハナマツムシは赤茶色い点にしか見えないそうです。
そのような点がライブロックについていても全く解かりません。
何が何でも再度同じライブロックを水槽に入れることはできないのです。

8 ミドリイシをライブロックから切り離した秘密兵器!!!
小さなミドリイシならば折ることも簡単ですが見事に大きく育ったミドリイシはおる事は不可能です。
秘密兵器がなければもうどうにもできません。
この秘密兵器は解かる方にはわかるようですよ。
一応欲しい方には販売もしているようですよ。
価格はブルハーバーに聞いてください。

9ミドリイシを折っている時の様子です。
ものすごい力がいります。
数本おるとグロッキーになります。

10 ミドリイシをすべて取り出し底砂をすべて取り出し今度は淡水を水槽に投入しているところです。
もしタマゴが周辺部分や配管部分に付着していれば大変なこととなるからです。
もう同じ失敗はしたくないからです。
真水を満たし数時間は運転していました。
そうそう忘れていました。
このホンハナマツムシはライブサンドの中に進入していませんでした。
砂のかなには進入しないようです。
進入しているのはライブロックの割れ目のみです。
砂の表面に落ちて動いている固体は見つけられましたが砂の中からは発見されませんでした。


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11 今度はサンプ水槽を清掃しているところです。
サンプ水槽の中にもこのホンハナマツムシが侵入していました。
生きているかどうかは確認しませんでしたがあの独特の貝は発見できました。
当然固体があるのならば生きている思ったほうがいいでしょう。
そのため徹底的に清掃をおこない。
その後淡水による運転をおこないました。
配管のなかにもホンハナマツムシが侵入してまだ残っている可能性があったからです。
写真を見てもらえれば解かると思いますが手前のほうに今回使用する海水がタンクに入れられています。
総水流は1.3トンほどあります。
少し少ないかもしれないとおもいました。

12 これは貝とは関係ありませんがサンプ水槽の重みでアスファルト部分が沈下しています。
ジャッキでアップしているところです。
沈下したところに板をかましているところです。
板は厚みが20ミリはあります。
皆さんももしサンプ水槽を野外に置く場合はアスファルトはやめたほうが良いと思います。

13 板をはめたところです。


14 水洗いのあと最初にライブサンドと珊瑚パウダーを敷いています。
綺麗にならしていれているところです。
珊瑚パウダーは100キロ以上配置しました。
その後ライブロックを配置しました。

15海水を満たしました。天然海水と人工海水の混合です。
水流を調整しているところの和田さんです。
見せたくないですね。
ボテボテだ。

16一応おちついた様子です。
最初は砂がまっていて内部が全く見えなかったのですが段々と透明になりメタハラを点灯しました。
もうすでにコハナガタ珊瑚を投入したところです。まあ様子みです。
この段階ではまだ魚や海老はまだ水槽に投与してはいません。
やはりいくらなんでも早すぎるでしょう。

17 水槽の上で魚の水温あわせしているところです。
その後数時間後には魚を水槽に離しました。
その後の話を聞きましたがうまく行ったそうです。

18 問題のホンハナマツムシのアップです。
専門の方にお聞きしたのですが本来は腐肉を食べているそうです。
自然界ではミドリイシを食べるというような報告は聞いたことが無いそうです。
水槽の中では食べるものがないのでミドリイシを食べるようになったのかもしれません。
この貝は今回の図鑑により新しい種類として認定されていました。
なおこの貝は串本のライブロックに紛れ込んでいたのではなくて沖縄産のライブロックに付着していたと考えられます。
すべてのライブロックに付着している恐れはありますが可能性は極めて低いようにおもわれます。

次に駆除する方法としては貝の専門の方にお聞きしたのですが貝を食べる貝を水槽の中にいれる方が良いそうです。
イモガイの仲間が有効だそうですが試した事はありません。
初期の段階では有効かもしれませんがここまで増殖すると相当の数が必要でしょう。
またシッタカやその他の有効な貝類も食べてしまう恐れがあるので現実問題としては難しいかもしれません。
ホンヤドカリや何処にでも生息しているカニの方が有効かもしれません。


余談になりますが5月1日に串本にダイビングに行ったのですが、その中の出来事です。
ダイビングはオレンジハウスを利用しました。
オレンジハウスは串本では有名なダイビングセンターです。
オレンジハウスの壁面には珊瑚を食害する貝類たちという張り紙がはってありました。
その中にはおなじみのシロレイシガイがありました。
他にも有名な貝の写真が貼り付けてありました。
しかし、しかしです、。
みて驚きました。
なんとチョウセンサザエがあるのです。
私の水槽の中にはチョウセンサザエが沢山生息しています。
しかし一向にミドリイシを食べる事は有りません。
チョウセンサザエは水槽の中の藻類を食べてくれます。
この貝はアキリンがお勧めする貝の一種です。
しかし串本の海の中ではミドリイシを食べる有害な貝として認定されているようです。
皆さんの水槽にはいっているチョウセンサザエも多分ミドリイシは食べないと思います。
これと同じように同じ貝であってもミドリイシを食べる場合と食べない場合があると思います。
このホンハナマツムシがすべて必ずミドリイシを食べるという事は断定できません。
ただ単に1個の水槽の事実だけを例にとりすべてがそうであるとはいいきれません。
しかしこの貝を発見したならばできるだけ水槽の中からは取り出すようにいたしましょう。
もしミドリイシを食べだすと付き合っていた女性が実は男性であったのと同じような感覚に陥るでしょう。